大企業に残った友人と話して分かった大企業の今

この記事は suusan2go Advent Calendar 2019 - Adventar の7日目の記事です。

少し前に、自分が新卒で入った会社の同期の友人から転職相談を受けて、自分がいたときとは会社の状況とか従業員としての状況とか色々結構変わったんだなと思ったので書いておく。

大きくわけると2つ変わったことがあった。

  • 時代の流れもあって会社自体が当時から変わったこと
  • 30代になって当時から変わっていること

自分は新卒で入った会社に3年くらいいて20代後半でベンチャーに行ったんだけれども、正直一時期は「大企業よりもベンチャーの方が潰しの効く経験詰めるしいい」「給与もエンジニアなら悪くない」「働きやすさもベンチャー企業の方が上」みたいなことを思っていた。しかし友人と話してみると、自分の持っていたイメージは大分古いのかもなと感じた。

大企業ってどこよ

所謂大手のSIer、メーカーで従業員が十数万人といった規模の会社。自分のプロフィールとか見に行くと普通に書いてあるので気になる人は探しにいってください。また大企業のなかでのある部署の話なので、あまり一般化はできないと思う。なのでタイトルはちょっと釣り気味です。またこのブログの公開については友人から許可を得ています。

大企業での働きやすさ

少なくとも自分がいた当時は働きやすいとは全くいえない環境で、8:00に出社して11:00に会社をでるみたいな生活が普通だった。フレックスなんて制度もなくリモートワークなんてありえなかった。しかし話を聞いてみると以下のような状況らしい。

  • フレックス(コアタイム無しのフルフレックスも業務上必要であれば認められている)
  • リモートワークも朝にメールを一通出せばOK

所謂WEB系のベンチャーでもリモートワークとフルフレックスを認めている会社は実はそれほど多くないと思うので驚いた。また残業についても、「赤字を出しても案件を取る / 死ぬほど残業して働く」みたいな働き方は割と認められなくなってきているらしい。(ただこれは部署によるところも大きい気がする。未だに月80時間残業くらい普通にやってる人間を知っているので)

ただパソコンにキーロガーみたいなのが仕込まれてて、パソコンを開いているか、どの画面を開いているかは常に記録されて勤怠システム上で閲覧可能になっているらしく、そういうところはアレだなと思った…

大企業での給与

自分が最初に会社をやめて転職したときには結構給与を下げた。それでも3年後くらいには最初の会社時代の給与を大きく超える額になったし、フリーランスになった今は金銭的にはかなり楽になっている。自分が給与を下げても最初の転職に踏み切れたのは、「このまま残っても給与が上がるイメージが持てなかった」というのもあるのだけど *1、友人と話していると30歳を超えてくると大企業もグッと給与が上がってくる事がわかった。会社として若手を早くマネージャーに上げようという流れもあるらしく、来年や再来年にマネージャーに昇進すると一気に800〜1000万くらいの年収にはなるらしい。

また、会社の中にいた一日中仕事と関係ない本を読んでるか昼寝してるだけの人、仕事は全然できないけどXXXエキスパートなる肩書を持っている人、そういう方々も700万から800万くらい年収をもらっていたということが分かってきて、大企業の懐の広さすげえなと思った。

大企業でのキャリア

今回話した友人は、国レベルの仕事や、世界中の拠点と関わる仕事をやっているらしく、そういうスケールの大きさはやはり大企業でしかできないことだろうなと思った、一方で本人も言っていたのだけど、「自分が何の仕事をしているか」「どんな成果を出したか」を個人レベルで語るのが結構難しい。エンジニア、デザイナーであれば、「こんなサービスを作りました」「こんなシステムを作りました」のように言えるし、SEでも「大企業XXXXプロジェクトのPMやりました」みたいなことは言いやすい。が、大企業の中だと何ていうか外部に一般化できない仕事をしている部署というのがチョイチョイあって、そういう部署に行くと職務経歴の説明が難しい。その友人も部署ではかなり評価されているようなのだけれど、「このままこの部署でマネージャーになって、つぶしの効く経験ができるのだろうか」ということに悩んでいるようだった。

ただ、自分はもともと大企業の中に残ってそこでしか通用しないスキルを磨くことに危機感があったのだけど、今は「エンジニアとしてコードを書いてアプリケーション / サービスが作れる」というだけのスキルはどんどんコモディティ化しているなと感じるし、正直なところWEBエンジニアとして次に何をしていくべきかということに結構悩んでもいる。なのでこういったキャリアの悩みは、単純に大企業だから / スタートアップ・ベンチャーだから、という話でもないのかもしれないなと今は感じている。

まとめ

正直にいうと、30歳になるまでは大企業で悩んでいる友人らには「スタートアップ / ベンチャーいいよ!」という勧め方をしていたのだけど、30歳超えて大企業のなかでも評価されている人らには中々そういう安易な勧め方はできなくなってきたなと感じる。本人がやりたいかどうかとは別にしても、大きな企業じゃないと出来ないことというのは確実にある。要は大企業、スタートアップ / ベンチャーにいることのどちらにもリスクがありメリットもデメリットもあるので、当たり前の話だけど一つの物差しで簡単に測れるものではないなと思う。

次に行く会社の選択肢としては基本的にWEBベンチャーしか考えていなかったのだけど、普通のWEB企業と比べても遜色ない環境でエンジニアとして働ける大企業もボツボツと出てきている印象があって、大企業の中で内製化された(しようとしている)部署があるなら、そういうところでも面白いかもなぁーと漠然と最近は考えている。

*1:もちろん一番の理由は自分でコードを書きたかったからだったけど